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sazanami blog

428 〜封鎖された渋谷で〜


今日、渋谷は壊滅する。


チュンソフト(現・スパイクチュンソフト)開発のサウンドノベルゲーム。実写での表現が特徴。
タイトルのとおり、東京の渋谷を舞台に物語が展開されます。複数の主人公が各々の目的を持って行動していますが、最終的にひとつの結末に向かって収束するシナリオは完成度が高く、今に至るまで高い評価を得ている作品です。

2008年にWiiで発売。
2018年にPS4、Steamで配信開始。

ストーリー

渋谷で発生した、女子大生誘拐事件。午前10時にハチ公前で、被害者の妹に身代金5000万円を持たせるように、と犯人からの指示があった。
この誘拐事件が、やがて大きな事件へと発展していく。

登場人物

主人公
解説
加納 慎也
渋谷中央署の新米刑事。
高校時代にラグビーで鍛えた身体を活かすのにちょうどいいと考えて刑事になったが、先輩刑事に感銘を受け、誇りを持って職務に臨むように。
警察官として誘拐事件に関わる。
遠藤 亜智
渋谷を統率する若者グループ『KOK』の元ヘッドで、社会的にはニート
自分の生まれ育った渋谷の街をこよなく愛しており、ポイ捨てされたゴミを自主的に回収してまわる毎日を送っている。
正義感の強さから、誘拐事件に首を突っ込んでしまう。
大沢 賢治
大手製薬会社の研究所長で、ウイルス研究の第一人者。
仕事以外のことには関心がなく、家庭は一切顧みない。
誘拐された女子大生の父親。
御法川 実
元新聞社の記者で、現在はフリーライター
やたらと態度が大きく、何かと指を差す癖がある。相手の本音を聞き出すためにあえて挑発的な言動を取ることもあるが、仕事に対する情熱は本物。
会社員時代の元上司から自殺を仄めかす不穏な電話を受け、現場へ急行する。
タマ
ネコの着ぐるみを身に纏った人物。
自らを「乙女」と称しており、どうやら中身は女性らしい。
ひょんなことから急にお金が必要になり、ダイエット飲料の試供品を配る日雇いアルバイトをしている。

ゲームシステム

タイムチャート


誰が、どの時間帯に、何をしているか、を示したチャート。
各主人公の動きを確認するのに役立つほか、特定の時間からやり直したいときに、この機能から当該地点まで飛ぶことができます。

TIPS

作中の単語についての解説。
種別が2種類があり、アイコンで区別されています。

アイコン 解説
作中特有のもの。
登場人物の紹介や、現実には存在しない企業の概要などは、これに該当する。
現実と共通するもの。
誤った認識で浸透しているものを訂正していたり、あまり知られていない事柄の説明も含まれており、意外と実用的な内容が多い。
何の脈絡もなく、突然、クイズを出題されることも。かなりフリーダム。

BAD END

物語が最後まで繋がらず、途中で終わってしまう状態。
自身の選択が間違っていると、この結末にたどり着いてしまう。

亜智の選択肢。重そうなアタッシュケースを代わりに持とうとすると…
警察に確保される亜智。親切心で近づいたのが裏目に出たようだ。




なぜBAD ENDになってしまったのかは、TIPSを見ればヒントを得られます。
ヒントの確認は任意なので、「自力で攻略したいんだ!」という気概のある方は、見ないで進めることも可能。


場合によっては、自身の展開には関係しない選択肢が、他の主人公に影響を及ぼしていることも。

タマの選択肢。試供品を配る側としては、どちらに渡そうと同じことだが…
渡した相手次第では、加納に影響を及ぼす。選択をやり直そう。



『BAD』と名付けられているものの、一概に悪い展開ばかりではなく、コミカルだったりハッピーエンドに近い展開も含まれています。

漁船で成功する御法川

KEEP OUT


読み進められなくなった状態。
解除するには、他の主人公を読み進めてJUMPしてくる必要があります。

JUMP


主人公から、別の主人公へ飛ぶ地点。
これを経由しないと、KEEP OUTを解除できないため、読み進められなくなったときはJUMPポイントを探す必要があります。
基本的には、読み進めるだけで見つかるため、これが原因で詰まることはあまりありません。

総評

進行上、必要な動作は「選択肢を選ぶ」「JUMPポイントを探す」の2つだけ。複雑な操作は一切要求されません。
これだけだと簡単そうに見えますが、状況を踏まえながら5人の主人公の行動を選択しなければならないため、実際はそこまで単純ではなく、頭を悩ます場面もしばしば。

意味もわからずにBAD ENDを迎えることは少なくないものの、笑える展開が相応に多く、理不尽さはあまり感じません。それどころか、正規ルートだけでは知ることができない物語の背景を垣間見られる上に、BAD ENDの回収率次第で特典を得られるので、むしろ積極的に間違った選択をしていくほうが楽しめる側面も。

不朽の名作、今一度体験してみてはいかがでしょうか。